顧客を他社に取られるというインパクト
中古車の輸出をしていると、自社の顧客を他社に取られた、なんて話はよく聞きます。まぁ中古車輸出業界に限った話ではないですが…
しかし、取引の大きかった顧客を取られるインパクトたるや…
それはもう凄まじいものがあります。
では、なぜ顧客を取られてしまうのでしょうか?
誠意が足りない?
よくあるのが、『顧客が現状の取引に満足していない』ということです。
例えばクレーム。
顧客としては、説明通りも車が届けば、それで満足なわけです。
しかし、説明されていたよりも、ボロい車が届いたらどう思うでしょうか?
誰でもクレームしますよね?
輸出業者はそのクレームに真摯に耳を傾けなければなりません。なぜならそれは自分のミスだからです。
クレームを聞かず、虚構の信頼関係上に胡坐をかいて、顧客のSOSを理解しようともせず、軽く受け流しているようでは、愛想をつかされても文句は言えないでしょう。
誠意が足りていないんです。自分のミスなのに…
謙虚な姿勢、常に初心を忘れずにいたいものです。
他社の圧倒的な値引き攻勢
取引額が大きく、値引きしてでも取る価値のある顧客はそうはいません。しかし、もしいれば、薄利だとしても取りに行く価値はあります。
というか、取引業者は、常に『取られる』という気持ちを持って、顧客と接しなければいけません。
顧客にとって、『安い』というのは、最大の魅力です。
もちろん、安かろう悪かろうでは、話になりませんが、どこの輸出業者も値引き合戦をしてでも、取りたい顧客はいます。もし今その顧客が自社のものであれば、必死に守っていかなければいけません。それすらできないようでは、その会社には、魅力はありません。遅かれ早かれです。
ですから、現在の取引業者は、他社の値引き攻勢にも負けない、しかもその代わりとなる圧倒的なサービスで対抗しなければならないのです。
自社の状況も正確に把握せず、自社のサービスが今でも素晴らしいと思っている、状況が把握できていない経営陣は、現場の意見をもっと聞くべきです。
聞くことで、正確な判断ができるのです。
決して今の状況に満足せず、常に自社の状況を正確に把握していれば、改善すべきところは、自ずと見えてくるのではないでしょうか?
取られた顧客が戻ることを期待するな
一度でも信用を失ったら、その顧客は戻ってこないでしょう。少なくとも数年は。
それくらい顧客にとって、取引業者を変えることは勇気がいることですし、それくらいい怒りが溜まってから、取引業者を変えているということなんです。
だから、戻ってくることを期待してはいけません。
逃した魚は大きかった、と諦め、今後同じことをしないように悔い改めることが重要です。
2度も3度も同じことをする業者は、没落するでしょう。
自社だけが頑張っているんじゃないんです。みんな必死でやっているんです。それも分からず他社を下に見るばかりで、現実を見ようとしない、自分が最高の経営をしていると勘違いしている、また謙虚さが足りない経営者に付いていくことは、人生最大のリスクです。